欧米の結婚披露宴では、新郎新婦が夫婦としての誓いのダンス(ファーストダンス)を踊るというのが慣習となっている。結婚を決めた二人は、式の準備とともに、自分達のダンスレッスンに通い始めるのが通常だ。自分達の好きな曲に振り付けをしてもらい、本番までに踊りをマスターしてお披露目するのだ。
この場合、ダンスを教えるといっても、生徒のダンスの技術をこつこつ磨いて行くダンサー育成とは異なり、全くの素人の二人を結婚式までに踊れるように仕上げて、短期間で、観客にも見応えがある素敵な作品を作り上げるというエンターテイメント的な側面もあるので、アプローチは全く異なる。
多くのカップルは、パートナーシップについて学んだことはなく、結婚する。その意味では、ダンスレッスンが最初の登竜門であるのかもしれない。二人の学ぶ姿勢やお互いのコミュニケーションの仕方を見ていると、どれくらい幸せな結婚が続くのか、荒波が押し寄せるのか予想がついてしまう(笑)。ある人が言っていた。「結婚は誰でもできる。お互い話をしなくても、同じ屋根の下に暮らしていればいい。でもダンスは、コミュニケーションをうまく取って協力しないと一緒に動けない。結婚よりハードルが高い。」と。社交ダンスは、まさに生きて行く上で必要とされる要素を学べるツールの1つでもある。私も多くのことを学び、成長させられた。そして、いまでも学び続けている。
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